Eさんとの個別

3学期になってから、週1時間担当しています。1年間担当してきた児童たちは、まとめの段階で、成長を喜び、あと、ここをきちんと押さえておくことが大事という部分を大切に扱います。

Eさんは、集団授業で、去年の4月から取り扱われたものがどの程度、できるか?を確認するところからはじまりました。3学期のみですから、時間はあまりありません。

その中で、感じた問題点は、土台がまだまだしっかりしていないということです。それぞれの単元で、出来たりできなかったり。ぐらぐらしたイメージです。

数唱は、4月は、5までだったとのことですが、3学期には、10までは確実でした。ここは、確実に力がついてきた部分だと思います。10以降は難しく、次へのステップという意味で、20までの数唱が出来ることを目標に置きました。毎回、1から20までの数唱に取組んでいます。指を使って、ゆっくり、指と声を総動員すれば、おおかた、20まで言えるようになりました。それでも、19が飛んだりします。もう少し、テンポをあげると、15までは言えるのですが、その後は難しいです。また、数字を読んでいっても同様です。学年が上がる前に、少しでも、慣れて、ストレスなく言える数が20に近づくように取組んで行きたいと考えています。

その他の状況は、「多い、少ない」では、多い方は聞かれて大きな声で嬉しそうに元気に答えられますが、少ない方を問いかけると、自信なさそうに、小さな声で、多い方を答えます。だいたい分かっている感じですが、あと一歩のところが分かっていません。「少ない」の言葉の意味と「少ない」の言葉を言う(表現する)ことに慣れることを意識したいと思います。

「なんばんめ」は、立て続けに出来たり、突然できなくなったりします。右と左がまだ、あいまいなところがあり、身体を使って、動きを取り入れて、確実に分かるように取組んでいます。また、○○からという問いかけがあると、どうやって考えたらいいかの意味が分からなくなる瞬間があります。

「3はいくつといくつ」これは、ほぼ、できるのですが、あと一歩です。たとえば、授業の最初の問いかけには答えられず、3こを見せて、3このうち、1個を手で隠して、ここにいくつある?と聞くと、「3こ」と答えます。手をのけて、2個を確認し、それを2~3回繰り返すと、思い出したかのように、問いかけの仕方を変えても、次次出来るようになりました。確実に出来るようにしたいですね。

個数を数えるという場面において、1,2,3,4,5,と数えられるのですが、何個ですか?と聞いても、答えは「5」しか言いません。「こんな時は5こと言うよ」と繰り返しても、なかなか個を言うことができません。聞こえと、発声にストレスがあると考えられます。

この児童は、日頃、しっかりとした発声をしません。声は出るので、発音は悪くても、しっかりとした声を出して、また、発音が難しい場面では、手を補助に有効に使ってでも、正確に状況を理解して取り込み、正確に表現するということが大事だと感じています。「概ねあっていたらいい」の考えから抜け出せるように注意を払って指導しています。最近日常生活の場面でも、大きな声が出ているので、期待しています。